◆大序
場は地獄の閻魔の裁き所。閻魔大王、倶生神、鬼婆、黒鬼・赤鬼が次々と登場し、亡者の生前の罪を判じる。「娑婆国中の大悪人」と判が下ると、鬼たちが亡者を連れ去る。
◆賽の河原
子供の亡者達が石を積んで遊んでいるところへ黒鬼・赤鬼が出てきて捕らえようとする。そこへ地蔵菩薩が現れ鬼を打ち払って亡者達を救い出す。
◆釜入れ
場面は一転し、地獄の釜茹での場。逃げ惑う亡者を鬼婆が釜に投げ入れ、鬼たちとともに火を煽ぎ薪をくべる。「首でも切って食らおうか」と鬼たちが亡者を吊るし上げて退場。
◆死出の山
亡者は鬼たちに火が飛び出す腕を持たされ、死出の山へ追い上げられた末、大石で押しつぶされ、下へ突き落とされる。口から血を流して苦しむ亡者。そこへ観音菩薩が現れて、亡者を救い、鬼と問答をかわして悠々と退場する。鬼は悔しがって亡者の卒塔婆を抜き取り、「さては成仏いたせしか」とそれを投げ捨て怒号を発する。
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